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小野正文

太宰治研究、本県文学の振興に大きな功績を残した作家


大正2年1月4日、父の職業の関係で岩手県久慈市に生まれた。
父は北津軽郡三好村(現五所川原市)出身。
青森市で小学校を終え、青森中学校に入学。
同学年には太宰治の弟礼治がおり、太宰治も3年に籍を置いていた。
その後、官立弘前高校から東京帝国大学法学部に入学。
太宰治とは学校の後輩として、付き合いが始まる。
昭和9年に太宰治や今官一らと同人誌「青い花」を創刊したが、1号で廃刊となったものの、太宰治との交際は長く続いた。
13年3月に大学を卒業し、同年9月から県立青森高等女学校兼青森県女子師範学校の教諭となった。
県師範学校から、戦後は教育庁に勤め、さらに県立図書館長、県立弘前南高校校長、弘前中央高校校長を勤めた。
のち、弘前大学医療短期大学、青森中央短期大学で教鞭をとった。
この間、21年「青草」には評論「文学の所在と在所の文学」小説「ローラに題す」などを書き、「東奥日報」の文芸時評などでも活躍した。
「北の街」には37年7月の創刊号から「文学のある風景」を連載、続いて202回に及ぶ「北の文脈」を連載していく。
また、太宰治との関わりから『太宰治をどう読むか』(昭和37年)や『入門太宰治』(昭和41年)を刊行した。
太宰治論の集大成として『太宰治その風土』(昭和61年)がある。
昭和48年『北の文脈』を刊行し、平成3年全4巻が完結した。
青森県の文学者を広く取り上げたこの書は高く評価されている。
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『津軽の文学と風土』(昭和50年)など著書が多い。
太宰研究、本県文学の振興に大きな功績
小野正文(おのまさふみ)
1913(大正2)年~2007(平成19)年
大正2年1月4日、岩手県久慈市に生まれる。父は北津軽郡三好村(現五所川原市)出身。青森市で小学校を終え、旧制青森中学校に入学。同学年に太宰治の弟礼治がおり、太宰も3年に在籍していた。その後、官立弘前高等学校から東京帝国大学法学部に入学。太宰とは学校の後輩として交際が始まり、9年に太宰、今官一らの同人誌「青い花」創刊に参加するなど、太宰との交友は長く続いた。
昭和13年3月に大学を卒業、同年9月から県立青森高等女学校兼青森県女子師範学校の教諭となる。県師範学校から戦後は教育庁に勤務、さらに県立図書館長、県立弘前南高校校長、弘前中央高校校長を歴任。のち、弘前大学教養部教授、青森中央短期大学学長を務める。
この間、昭和21年に文芸誌「青草(せいそう)」に評論「文学の所在と在所の文学」小説「ローラに題す」などを書き、「東奥日報」の文芸時評などでも活躍。タウン誌「北の街」には37年7月の創刊号から「文学のある風景」を連載、続いて202回に及ぶ「北の文脈」を連載していく。
また、太宰治との関わりから『太宰治をどう読むか』(昭和37年)や『入門太宰治』(昭和41年)を刊行。太宰治論の集大成として『太宰治その風土』(昭和61年)がある。
昭和48年『北の文脈』を刊行し、平成3年全4巻が完結。青森県の文学者を広く取り上げたこの書は高く評価されている。他に『津軽の文学と風土』(昭和50年)など著書が多く、本県の文学界に大きな功績と足跡を残した。
昭和58年に地域文化功労者文部大臣表彰、61年に勲四等旭日小綬を受ける。平成10年、本県文学振興に貢献したとして東奥賞特別賞、17年、弘前大学名誉博士号、18年に陸奥新報社賞を授与されている。
太宰の旧制弘高時代の下宿・旧藤田家の移築・復元に尽力、石坂洋次郎の会、弘前ペンクラブの会長としても活躍した。一戸謙三詩碑など文学碑建立にも数多く携わり、県内の百を超える学校の校歌を手がけたほか、幅広い活動、地域へ文化の振興に意欲的に取り組んだ生涯であった。平成19年9月21日、94歳で死去。
文芸評論家で太宰治研究家の小野正文、急性肺炎で21日死去、94歳。
1913年岩手県久慈市生まれ。旧制青森中学校時代は同学年に太宰治の弟礼治がいた。旧制弘前高校から東京帝国大学法学部に入学。太宰治は旧制中学以来、学校の後輩。
34年太宰や今官一らと同人誌「青い花」を創刊するも、1号で廃刊。13年大学卒業、青森高等女学校兼青森県女子師範学校の教諭となる。戦後は教育庁に勤め、県立図書館長、県立弘前南高校校長、弘前中央高校校長を勤めた。その後、弘前大学医療短期大学、青森中央短期大学で教鞭をとる。弘前ペンクラブ名誉会長でもある。
著書に「太宰治をどう読むか」「太宰治その風土」など。太宰を知る語り部として各地で講演した。
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青森県立図書館注目の作家 小野正文
弘前ペンクラブ 編『小野正文を偲ぶ』(未知谷 刊)

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